水素療法を新型コロナウィルス及び後遺症の治療に適用しようという研究が各国で行われている。
近年の医学研究で、水素の次のような作用により、新型コロナウィルスの治療に水素酸素混合ガスが有効であると考えられるようになった。①抗炎症作用 ②酸素の分散度と流量を増加させることで呼吸困難を改善する ③選択的抗酸化作用、体内の悪玉活性酸素の除去による免疫力の向上 ④安全性
中国の徐克成教授は著書『Hydrogen-Oxygen Inhalation for Treatment of COVID-19』の中で新型コロナウィルスの治療において、水素治療が適合するのは以下のような目的の場合であるとしている。
・軽症患者の迅速な症状改善、入院期間の短縮 ・重要患者への補助治療 ・軽症者の重症化防止
・合併症の予防と改善
また、英国のRUSSELL教授らの研究では、新型コロナウィルスに感染した患者が水素酸素混合ガスの吸入によって症状が改善したという臨床データがあるという。水素が抗炎症・抗酸化剤として働くことで、軽症から中等症の新型コロナウィルス患者において炎症細胞が連鎖的に反応することを抑止し、患者の回復を促すといったものだ。
さらに、新型コロナウィルス感染後の後遺症にも水素の抗炎症、抗酸化作用が有効であると考えている。ME-CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)において、水素療法はNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やコエンザイムQを含む栄養補助食品の摂取よりも治療効果が高いことから、コロナ後遺症の代表的な症状の一つである慢性的な疲労にも効果があると述べている。