今年もアメリカのラスベガスでConsumer Electronics Show(略称CES、以下同じ)が開催されました。CESは世界最大級の消費者向けエレクトロニクスの展示会で、毎年1月に開催されています。コンピュータ、スマートフォン、家電、自動車技術など、様々な分野の製品が展示・発表されます。
今年のCESではデジタルヘルス、AI、 自動運転といった分野が注目を集めました。特にデジタルヘルスはコロナ禍以降、関心の集まっている分野です。家庭で健康状態を把握していたいという需要が高まり、高齢化で社会保障費が増大する中、デジタル技術によって病気の予防や早期発見で医療費削減に貢献するという社会的な流れがあるためです。
例えば、韓国のスタートアップ企業が開発したスマートトイレは自宅でいつでも所定の項目の尿検査が受けることができます。今後、研究開発が進めば疾患の予測につなげることが可能になるそうです。
また、快眠をサポートするスリープテックと呼ばれる分野では、睡眠状態を測定してより良い睡眠をとれる寝具や、睡眠改善まで行う技術も発表されています。枕に内蔵されたAIがいびきを感知するとエアバッグによって頭を横向きにさせて、いびきを抑える枕や、センサーによって最もよく眠れる寝相になるように硬さを自動調整するマットレスなども発表されました。
さらに、高齢者の肉体的・精神的な健康状態を改善するエイジテックという分野があります。これらは高齢者の生活に溶け込んで、情報収集し、健康についてアドバイスできることが特徴です。薬を服用するタイミングが合っているかどうかを知らせてくれる薬箱用センサーなどが展示されました。
このようなデジタルヘルス技術が今後どのように普及し、発展していくのか期待が高まります。