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春の七草の健康効果

2025/01/13

春の七草の健康効果

 正月七日(1月7日)は、五節句の一つである「人日(じんじつ)の節句」にあたり、この日に「七草粥(ななくさがゆ)」を食べる習慣があります。七草粥とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)の7種類の春の若草を入れたお粥です。七草粥に使われる植物の多くには抗酸化作用、消炎作用、解毒作用、消化促進などの働きがあります。
1.セリ(芹): 水辺に生える香りの良い野草
 胃を丈夫にする効果や解熱効果、利尿作用、整腸作用、食欲増進、血圧降下作用などの効果があると言われています。鉄分を多く含むため、増血作用も期待できます。さらにビタミンCやミネラルが豊富で、免疫力の向上や活性酸素の働きを抑える働きもあります。セリ特有の香りには鎮静効果もあるそうです。
2.ナズナ(薺): 別名「ぺんぺん草」としても知られる野草
 食物繊維やビタミン、ミネラル、鉄分、カルシウム、亜鉛を含み、解毒作用や利尿作用、止血作用、胃腸障害やむくみに効果があると言われています。
3.ゴギョウ(御形):「母子草(ははこぐさ)」とも呼ばれる植物
 喉の炎症や咳の改善に効果があると言われています。
4.ハコベラ(繁縷): 一般的には「ハコベ」として知られ、子孫繁栄の意味があります。
 タンパク質やミネラルが豊富で、古来は薬草として使われていました。特に腹痛薬として使用されます。
5.ホトケノザ(仏の座): 「小鬼田平子(コオニタビラコ)」のことで、形状が仏像の台座に使われる蓮花の形に似ていることからこの名がつけられています。
 消化促進作用があり、高血圧予防、歯痛の緩和や食欲増進などにも作用すると言われています。
6.スズナ(菘): カブのこと
 消化促進作用があり、カロテンやビタミンC、カルシウムや鉄分、ミネラルが豊富で、根の部分には、コレステロールを低下させてくれる成分も含まれています。
7.スズシロ(蘿蔔): 大根のこと
 ビタミンCを多く含むほか、胃腸の調子を整えるアミラーゼや便秘に効果的な食物繊維が豊富です。ダイコンの辛み成分には、抗がん作用や抗菌作用もあります。

 古代中国では正月七日に7種類の植物が入ったスープを飲んで邪気を払い、無病息災を願う風習がありました。これが日本に伝わり、元々日本にあった新春に若菜を摘んで食べて無病息災を願う風習や小正月に小豆粥を食べる風習と結びついて、七草粥の習慣ができあがったと考えられています。
 七草のいくつかは、漢方薬で使われる薬草と共通しています。抗酸化や解毒、消化促進など、多方面で健康に寄与するため、現代の健康志向にもマッチします。七草の成分をうまく取り入れた食生活やサプリメントなどを活用することで、より健康的な生活が期待できるでしょう。