株式会社ミンテンテック

中国の発酵食品「腐乳」

2024/04/15

中国の発酵食品「腐乳」

<腐乳とは?>
 中国を代表する発酵食品に「腐乳(フールー)」があります。「豆腐乳(ドウフルー)」「乳腐(ルーフー)」「南乳(ナンルー)」などと呼ばれることもあります。
 腐乳は地方によって様々な作り方があります。代表的な製造方法では、圧力をかけて脱水した豆腐にカビを付着させ、塩漬けにした後、もろみに漬け込んで密閉して数か月発酵させます。発酵しても豆腐の形が崩れないのは最初に付着させたカビによって菌膜ができるためです。
 腐乳で最も一般的なのは塩味の強い白腐乳ですが、カビ付けに紅麹を使用する「紅方」や、麹を使わずに外観が灰色になっている「青方」などの種類があります。「青方」は「臭豆腐」とも呼ばれ、その名の通り強烈な臭みがあります。腐乳には味付けされたものもあり、白腐乳に唐辛子を入れた「辣腐乳」などが普及しています。
 中国ではスーパーや食料品店などどこでも販売されています。日本では中華食材店やネットショップで入手可能です。
<腐乳の栄養素>
 豆腐を原料としているため、たんぱく質を多く含み、発酵の段階でアミノ酸に分解されるため、直接消化吸収することができます。そのため、病人の食事にもよく用いられます。また、亜鉛やビタミンB類などの不足しがちな栄養素が含まれ、腸内環境を整えたり、貧血を予防したりすることができます。ただし、塩分が多いため、摂取量には気をつける必要があります。
<腐乳はどんな味?>
 腐乳は漬物のようにしてご飯と一緒に食べられることもありますが、鍋料理のたれやお粥に入れたり、肉と一緒に煮込んだり、揚げ物の味付けに使われることもあります。また、ごま油を少しかけて食べる習慣もあります。食感はクリームチーズのようで、味は酸味と塩味がかなり強く感じられます。また、発酵食品独特の臭みがあります。日本人にはむしろ味付けされた「辣腐乳」などの方が香りが目立たなくなっていて食べやすいかも知れません。