株式会社ミンテンテック

先進医療Bから取り下げに・・・水素ガス吸入療法

2022/08/01

先進医療Bから取り下げに・・・水素ガス吸入療法

今年2022年3月に、画期的な治療法として国から先進医療Bに認可されていた「水素ガス吸入療法」が取り下げとなりました。
この水素ガス吸入療法は、心肺停止症候群(病院の外で心停止になった患者に対する救急蘇生術後の脳や臓器に後遺症が残った状態のこと)に対して大幅な後遺症の軽減に繋がるとして慶應義塾大学病院や協力医療機関で臨床試験が行われていました。
しかし、2020年~コロナの流行と共に、診療の最前線に立つ救急医療はひっ迫状態が続き、そのような中で症例の組み入れを行うことは実務的・倫理的に困難となったこと、面会の制限から同意書も取れないこと、救急蘇生の治療上の変化などの理由から、予定症例数360例に対して73例ではありましたが、研究実施計画書に定められた中止基準に従い「研究対象患者の組み入れが困難で、予定症例数に達することが困難であると判断」され、中止が承認されました。

ただ、今回先進医療Bからの取り下げにより、国の診療報酬に組み込まれる可能性が減少してしましましたが、他の医療機関や日本先進医療臨床研究会などでも水素導入の臨床試験が実施されています。また、一般の医療機関でも自由診療として水素吸入を取り入れているクリニックが増えてきています。今後、基礎研究の進展やエビデンスが増えたその先に、この画期的な効果があるとされる水素吸入が一般治療として認可される日が来ることを待ち望みたいと思います。
                                                参考資料:厚生労働省『先進医療Bの試験終了に伴う取下げについいて』 R4/5/12発行