現在、食品の栄養素研究は、免疫力を高める成分や、酸化を防ぎ老化や未病につながる抗酸化成分の研究が盛んに進められています。しかし、その成分の理想的な摂取量や調理法、消化吸収への作用などに関しては未解明であることがまだまだ多いのが現状です。食品の栄養素は、食品の腐敗による栄養価の低下や、酸素、光、紫外線、乾燥などによる酸化に加えて、加温や加圧などの調理による酸化促進が起こります。特に、脂質との結合は過酸化ラジカル(細胞を傷つける活性酵素)になりやすいことが分かっています。こういった段階的な調理段階ごとの成分変化や成分結合などの解明が、人体を用いた実験により解明に向かっています。
代表的な抗酸化成分
他に、カテキン、ポリフェノールなど
現在分かっている調理による変化、効果
・フライ食品のヒドロキシラジカル量
家庭調理が一番少ない!<ファーストフード<弁当屋<スーパーマーケット
・大豆が含有するイソフラボンは熱に強く抗酸化成分が壊れづらい
・ナッツ類は焙煎により抗酸化成分が高まる。未焙煎の種子から抽出した無味無臭、無色の油は精製度は高いが抗酸化成分は少ない
・生姜やニンニク成分と調理した場合、肉の酸化を防ぐ。カレーのスパイスとの調理でも、酸化を防ぎやすい。
・赤ワインのポリフェノールは加熱に弱い
・野菜はゆでるより、電子レンジ調理の方がアスコルビン酸が多い
今後の解明を心待ちにしながら、より効果的に、食生活にこれらを事を取り入れ健康維持を努めたいものです♪ (日本調理科学会誌 Vol.34「調理と食品の抗酸化機能性」より)